
USCPA合格に至った経験談の一つとして、受験準備についてお話ししたいと思います。
日本の数ある資格試験と比べても、USCPAは「受験の資格を得る」ことが非常に大変で、これを乗り越えなければ試験を受けることすらできません。
合格できるか不安な中で、お金だけどんどん出ていく…。
精神的には最も辛い時期だと思っています。
もしも今、その段階の方がおられたら、この体験談が少しでもお役に立てばと思います。
学歴評価依頼
日本など米国外の大学・大学院で単位を取得した場合、米国の大学の単位と照らし合わせて評価してもらう必要があります。
自身の卒業した大学に行き、英文の成績証明書を入手した後、パスポートのコピー等の書類とともに、アメリカのNIESという機関に郵送しました。2週間くらいでメールが届き、証明書が添付されていました。
この評価結果に基づいて、受験に必要な追加単位数を把握し、取得する手続きを行う必要があります。
単位取得
筆者が受験したワシントン州は、受験に以下の学位と単位が必要です。
- 4大卒学位
- 総単位数 150単位
- 会計単位 24単位
- ビジネス単位 24単位
私の場合、大学の取得単位でビジネスは満たしていましたが、会計は2単位しかとっておらず、残り22単位の取得が必要でした。
不足単位の取得には、アビタスが提供するCUSEB (California State University East Bay) のサービスを利用しました。
単位認定試験自体はオンラインで受けられ、しかも問題集そのままの出題ですので、全く難しくありません。
ただアビタスのパックに含まれていた科目数を超える分は追加購入せねばならず、私の場合は2科目×29,160円支払いました。さらにアビタス入会から時間が経って無効になってしまったものが3科目もあり、14,850円×3で購入し直す必要がありましたので、合計で94,500円かかりました。この出費は大きかったです。。。
追加単位の取得が完了したら、アビタスを通してCSUEBへ成績証明書(トランスクリプト)をNASBAへ発行してもらう手続きを行います。通常1週間ほどで完了しますが、新型コロナ流行時期は1カ月分の発行分をまとめて翌月に実施されることになり、当月分に間に合うように依頼用紙を送らないと、想定の受験時期より1カ月も遅れることとなります。アメリカから日本へ郵送で依頼書を送る日数が読めないこともあり、この時間の制約は結構なストレスでした。
出願
受験のための単位条件を満たすと、いよいよ出願となります。
NASBAの「CPA Central」というサイトよりアカウントを作成し、受験する科目を選択、受験料を支払います。NTS(Notice to Schedule)=受験番号が発行されると、これで受験日と会場が選択できるようになります。
CSUEBのトランスクリプト発行依頼からNTS発行まで、結局1カ月半かかりました。その間、きちんと書類が受理され、手続きが進んでいるのか確認するために、NIESに問い合わせを行ったりしましたが、要領を得ない回答がある等し、いつ受験ができるようになるのか、不安に思っていました。
もし通常より時間がかかっていると思う場合や、おかしな返答しかない場合は、念入りにやりとりして確認した方がよいです。いつまで待っても連絡が来ないというのは、この試験に限らず、アメリカではよくあることです。
メンタルコントロールの重要性
上にも書いたように、この時期は受験全体を通して、最も精神的に辛い時期だと思います。自身の経験から、理由を以下のように整理してみました。
- まだ合格のイメージが沸かず、ゴールまでの道が果てしなく遠く見える。
- 徐々に仕事しながらの学習に疲れが出始める。
- 受験するための準備ですら手続きが多く、時間がとられる。
- 手続きが進むたびに、数万円の単位で費用支払いが発生することも精神的な負担となる。
実際、仕事が忙しかったりすると、受験にも漕ぎつけられずに挫折する方は結構おられるのではないかと思います。挑戦すると決めた時はモチベーションが高かったのに、日々の忙しさや思うように学習が進まない焦りや不安から、投げ出したくなってしまう気持ちはよく分かります。
ここで投げ出してしまいそうな時の気持ちの持ち方としてお勧めしたいのが、やめるにしても一科目は受験する ことを目標に頑張るというものです。
この段階にある方は、もう既に予備校に高額の費用を支払っており、相当の時間を費やしてきていると思います。折角それだけのコストをかけているのですから、撤退するにしても正しく状況を見極めるべきだと思います。
実際、最初の科目を受験する前と後では、メンタルはかなり変わってきます。私の場合は、幸いにも一科目を合格できたので、これくらいの勉強をすれば合格できるということが分かり、とても気持ちが楽になりました。そうでなくても、少し及ばない程度で不合格であれば、次はいけるという手ごたえが得られるかもしれませんし、全力で準備しても全くダメだったという場合は、すっぱり諦めがつくかもしれません。
いずれにせよ、不安に感じる大きな要因としては、まだ受験が未知の世界であるからです。
ですので、まずはとにかく受験までたどり着くことを目標にしてもらえれば、少しゴールが身近に感じられるようになるのではと思います。
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