AUD(Auditing and Attestation)の合格体験記です。
これから勉強開始される方、勉強中の方に、少しでも参考になればうれしいです。

AUDの特徴
この科目は、ボリュームとしてはFARやREGに比べると少ないので、一見取り組みやすいように見えますが、単純に計算した数値を答える問題より、適切な文章を選択する問題が中心となり、高い読解力が求められます。
全体の合格率も約48%(2021年)と、FARの約45%に次ぐ難易度となっており、さらに非ネイティブの日本人が苦手な科目の一つです。
何度も不合格になる日本人受験生も多く、「沼」とも呼ばれているそうですので、英文読解に少々自信がない方は、テキストの内容をマスターして臨む必要があるかと思います。
テストの形式
基本的な情報として、テストの形式をおさえておきます。
Testlet 1 | Testlet 2 | Testlet 3 | Testlet 4 | Testlet 5 | |
---|---|---|---|---|---|
形式 | MCQ | MCQ | TBS | TBS | TBS |
問題数 | 36 | 36 | 2 | 3 | 3 |
5つのテストレットで構成され、次のテストレットに進むと、前に戻ることはできません。
MCQ(Multiple-Choice Questions)はいわゆる4択問題。
TBS(Task-Based Simulations)は計算して表を埋めたり、文書中の適切な文を選択するなど、より実務に即した問題が出題されます。
配点は、MCQ 50%、TBS 50%となっており、どちらも試験対策が必要。
また、Pretested Questions、いわゆる採点対象外の問題が、MCQ 12問・TBS 1問含まれています。
割合にすると、MCQ 17%・TBS 14%に相当し、つまり約2割程度の問題が採点の対象ではないということです。したがって、分からない問題で時間を使って悩むより、ある程度の割り切りも、むしろ重要ということです。
出題範囲と配点比率
どの分野を重点的に対策すべきか把握するため、テストの配点等を確認しておきます。
下は公表されているテスト範囲です。
- Ethics, Professional Responsibilities and General Principles: 15-25%
- Assessing Risk and Developing a Planned Response: 25-35%
- Performing Further Procedures and Obtaining Evidence: 30-40%
- Forming Conclusions and Reporting: 10-20%
個人的に注目したポイントは、1点目の Ethics, Professional Responsibilities and General Principles の配点が15~25%と比較的大きいことです。
アビタスのテキストでは、このトピックのボリュームが比較的少ないのですが、かなり重点的に強化しておくべきことが分かります。
勉強方法
筆者の勉強方法は、こちらに詳しくまとめておりますので、合わせてご覧ください。
テストの際の時間配分
テスト本番を想定し、時間配分を考えておきます。
参考まで、筆者の試験本番の時間配分を記載します。
Testlet 1 MCQ | Testlet 2 MCQ | Testlet 3 TBS | Testlet 4 TBS | Testlet 5 TBS | Total |
---|---|---|---|---|---|
55 分 | 55 分 | 30 分 | 50 分 | 50 分 | 240 分 (4時間) |
MCQは少し時間がかかりましたが、比較的均等な配分ができたのではと思います。
最後に
会計監査とは適正な会計報告がなされることを保証することです。会社には不正会計や横領などのリスクがつきもので、その度合いは企業環境や経営者のスタンス、あるいは会社の内部統制システム等によって違います。
会計士は、様々な観点からリスク評価し、重点的に監査する点を見極める必要があります。
監査とはそのような特性を持っているため、部分的な暗記よりも、全体の流れをよく理解することが重要になってきます
またテストでも抽象的な問題が多く含まれることとなり、非ネイティブの日本人にとっては、難しい試験だと感じます。
例えば、「A・Bも間違いとは言い切れないが、Cがより適切。したがって答えはC」といった問題もあり、よく問題に慣れておく必要があると思います。
やはりCPAといえば、監査もメインの業務になるので、簡単な試験にはなっていないです。
以上、ご参考になれば幸いです。
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