米国公認会計士(USCPA)合格体験記 ~BEC~

BEC(Business Environment and Concepts)の合格体験記です。

これから勉強開始される方、勉強中の方に、少しでも参考になればうれしいです。

BECの特徴

この科目は、ボリュームも少なく、内容も興味の沸きやすいものです。(個人的感想)

全体の合格率も約62%(2021年)と、最も合格率が高い科目となっています。

しかしこれはあくまでネイティブにとっては易しいというもので、日本人にとってはWC(英作文)があることにより、一段ハードルが高く、AUDとともに「沼」と呼ばれ、日本人がつまづきやすい科目となっています。

テストの形式

基本的な情報として、テストの形式をおさえておきます。

Testlet 1Testlet 2Testlet 3Testlet 4Testlet 5
形式MCQMCQTBSTBSWC
問題数3131223

5つのテストレットで構成され、次のテストレットに進むと、前に戻ることはできません。
MCQ(Multiple-Choice Questions)はいわゆる4択問題。
TBS(Task-Based Simulations)は計算して表を埋めたり、文書中の適切な文を選択するなど、より実務に即した問題が出題されます。
WC(Written communication)は経営者に対して、CPAのスタンスから提言する文書を書くことが求められます。

配点は、MCQ 50%、TBS 35%、WC 15%となっています。

また、Pretested Questions、いわゆる採点対象外の問題が、MCQ 12問・TBS 1問・WC 1問含まれています。
割合にすると、MCQ 19%・TBS 25%・WC 30%に相当し、つまり約2割以上の問題が採点の対象ではないということです。したがって、分からない問題で時間を使って悩むより、ある程度の割り切りも、むしろ重要ということです。

出題範囲と配点比率

どの分野を重点的に対策すべきか把握するため、テストの配点等を確認しておきます。
下は公表されているテスト範囲です。

  • Enterprise Risk Management, Internal Controls and Business Processes: 20-30%
  • Economics: 15-25%
  • Information Technology: 15-25%
  • Operations Management: 15-25%

まず1点目のリスクマネジメントや内部統制の分野に最も配点されていることが見て取れます。したがって、この点はしっかりマスターしておく必要があります。

ITは詳しい人にとっては易しいのかもしれませんが、筆者はあまり基礎知識を持っていなかったため、模試などでも初見の単語に遭遇することが多々ありました。どのみち短期間でマスターすることは難しいと考え、この分野に多くの時間を割くことはやめ、アビタスのテキストの内容のみを完璧に覚えることにしました。

勉強方法

筆者の勉強方法は、こちらに詳しくまとめておりますので、合わせてご覧ください。

テストの際の時間配分

テスト本番を想定し、時間配分を考えておきます。
 
参考まで、筆者の試験本番の時間配分を記載します。

Testlet 1
MCQ
Testlet 2
MCQ
Testlet 3
TBS
Testlet 4
TBS
Testlet 5
TBS
Total
45 分45 分30 分45 分75 分240 分 (4時間)

TBSまで順調に終えられたため、最後のWCに十分時間を残すことができました。ただWCの問題が難しく、4時間を使い切ることになったうえに、全然できませんでしたが。。。

最後に

やはりBECの受験では、WCをどう準備するかという点を悩みました。

4択で最も適切なものを1つ選択すればよいMCQとは異なり、全て自分で記述しなければならないのがWCです。例えば、「COSOフレームワークの5つの構成要素を記述したうえで、提言せよ」といった問題が出されますが、MCQ対応とは一段上の記憶・理解が求められます。しかしBECの試験範囲は多岐にわたるため、全てをカバーするのは不可能と感じました。

そこでMCQ・TBSだけで合格点を稼ぐ!くらいの気持ちで、テキストを繰り返し覚えました。

そしてWCは部分点を稼ぐ程度の気持ちで、アビタスのWC問題集の定型文を読み返すという形で準備しました。

本番の試験では、良くも悪くも思った通りとなりました。WCは非常に出来が悪かった代わりに、MCQ・TBSは大きな手ごたえを感じました。そのため結果が出るまでは不安でしたが、無事合格点に達していました。

以上、ご参考になれば幸いです。

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