FAR(Financial Accounting and Reporting)の合格体験記です。
これから勉強開始される方、勉強中の方に、少しでも参考になればうれしいです。

FARの特徴
この科目は、財務会計報告の名の通り、CPAとして基本となる科目であり、また他の科目のベースになるものでもあります。したがって多くの方が最初の科目に選択されると思いますが、それは間違っていないと思います。
ただ注意しておくポイントとしては、メインの科目であるがゆえに、ボリューム・難易度ともに高いことが挙げられます。つまり受験に至らず、挫折してしまうリスクがあるということです。
試験範囲は、公会計を除くと、多くが日商簿記の商業簿記分野でカバーされているもので、筆者は割とすんなり理解できましたが、最初の科目ということもあって、英語の問題を解くのに慣れるまで時間もかかったため、それなりに勉強時間を費やしてしまいました。
試験の特徴として、仕訳や計算問題が多くを占める特性があり、他の科目ほど英文読解力は求められない印象です。したがって、ネイティブではない日本人でも、努力が反映されやすい科目だと思います。
テストの形式
基本的な情報として、テストの形式をおさえておきます。
Testlet 1 | Testlet 2 | Testlet 3 | Testlet 4 | Testlet 5 | |
---|---|---|---|---|---|
形式 | MCQ | MCQ | TBS | TBS | TBS |
問題数 | 33 | 33 | 2 | 3 | 3 |
5つのテストレットで構成され、次のテストレットに進むと、前に戻ることはできません。
MCQ(Multiple-Choice Questions)はいわゆる4択問題。
TBS(Task-Based Simulations)は計算して表を埋めたり、文書中の適切な文を選択するなど、より実務に即した問題が出題されます。
配点は、MCQ 50%、TBS 50%となっており、どちらも試験対策が必要。
また、Pretested Questions、いわゆる採点対象外の問題が、MCQ 12問・TBS 1問含まれています。割合にすると、MCQ 18%・TBS 14%に相当し、つまり約2割程度の問題が採点の対象ではないということです。したがって、分からない問題で時間を使って悩むより、ある程度の割り切りも、むしろ重要ということです。
出題範囲と配点比率
どの分野を重点的に対策すべきか把握するため、テストの配点等を確認しておきます。
下は公表されているテスト範囲です。
- Conceptual Framework, Standard-Setting and Financial Reporting: 25-35%
- Select Financial Statement Accounts: 30-40%
- Select Transactions: 20-30%
- State and Local Governments: 5-15%
これを見た時に、個人的には State and Local Governments に注目しました。
この公会計と呼ばれる分野は、テキストでは1冊(FARは全4冊)が割かれており、内容もかなり退屈(個人的感想)で、マスターしようとすると相当時間がかかってしまいます。
ただ配点をみると、テキストのボリュームほどの重要性はありませんので、ここは半分くらいとれればくらいの気持ちで臨みました。
ただし捨てるのはやりすぎですので、ある程度は得点が稼げるように準備する必要があります。本番の試験でも、問題数は思ったよりありました。
勉強方法
筆者の勉強方法は、こちらに詳しくまとめておりますので、合わせてご覧ください。
テストの際の時間配分
テスト本番を想定し、時間配分を考えておきます。
参考まで、筆者の試験本番の時間配分を記載します。
Testlet 1 MCQ | Testlet 2 MCQ | Testlet 3 TBS | Testlet 4 TBS | Testlet 5 TBS | Total |
---|---|---|---|---|---|
55 分 | 55 分 | 30 分 | 55 分 | 45 分 | 240 分 (4時間) |
やはり最初の試験ということで、少し時間感覚がつかめず、最後のTBSの時間が少なくなってしまい、少し焦りました。
MCQをもう少し時間をかけずに解き終わるのが理想的だと思います。
最後に
上にも書いたように、FARはボリューム・難易度とも全科目中、最高レベルです。
逆に言うと、FARを合格できれば、単純に4科目のうちの1科目を突破した以上の意味があります。個人的にも、これを一発目でとれたことで、精神的にもかなり楽になり、一気に全科目合格が現実的に感じられるようになりました。
したがって、個人的には一つ目のFARの突破というのは、全科目合格の中で最大の関門だったと思っています。ちょうどいま勉強中だけど心が折れそう…という受験生の方は、あまり色々考えずに、一つ目を合格することに集中してもらった方がよいかなと思います。
以上、ご参考になれば幸いです。
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